フゴッペ洞窟は、北海道余市にある、岩壁彫刻の洞窟です。
峰山厳著「謎の刻画 フボッペ洞窟」の本の中から、一部をご紹介します。
「洞窟人が仮装人像を描いたのは、
仮装した人間そのものの霊魂を封じ込めるためではない。
宇宙の上・下領域を自由に飛行し、精霊と融合し、
共同体に幸福と安全をもたらす能力をシャーマンに与えている霊力を、
岩壁に止どめるためである。
フゴッペ刻画の仮装人像は、すでに超人的な霊力を見に付けることのできる
真正シャーマンであったから、洞窟人が情熱をかたむけて、
多くの仮装人像を岩壁に描いたのであろう。」
仮装した人が、上と下を行き来するという表現を聞いたときに
「カチナ」という言葉が閃いた。
「カチナ」とは、アメリカ・インディアンの聖なる山から降りてきた神々であり、
ホピ族の精神世界に住む精霊のことです。
ホピの人たちは、カチナを模したお面と衣装を身に付け、
キヴァと呼ばれる地下の部屋のなかで、儀式を行ないます。
キヴァでの様子を、岩に彫刻して、メッセージとして伝えようとしたなら、
フゴッペ洞窟のような、抽象的で、神秘的な絵にするだろうなと感じました。
ホピ族の伝統として、カチナの仮面と衣装が、カチナ人形として、現代まで伝承されています。
そのカチナと精霊の神話を調べていくうちに、フゴッペ洞窟の壁画も理解されるかもしてません。
もしも根底で同じなにかが流れているとすると、
ホピの聖地と北海道との繋がりが見えてくるかもしれません。
フゴッペ洞窟に出かけていって、古代のシャーマンが願ったことを感じてみることが、
最初の一歩だと思いました。
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